最近、八重歯ガールが流行っているらしい。それも、もともと綺麗な歯に、わざわざ付け八重歯をするんだそうだ。もちろん、矯正治療で悪い歯並びにして八重歯を作リ出すこともできるわけだけど、うーん?????
矯正専門医としては、意味不明。よくわからーん!なんで?!

まず、改めて、八重歯とは。
専門的には、犬歯低位唇側転位と言い、歯列弓から歯肉側外側にはみ出してしまった犬歯の事を言います。顎の大きさに対して、相対的に歯が大きく、歯が生えるスペースが足りないために生じる事が多くあります。

また、前歯、小臼歯、大臼歯とも2本ずつあるのに対し、犬歯は、1本しか存在せず歯根も一番長いため、咬み合わせ上、キーとなるとても重要な歯となっています。(※注:智歯を含めると大臼歯は3本あることも。)

ところが、八重歯の場合は咬み合わせに関与していないので、見た目だけではなく、咬み合わせ上も非常によろしくないのです。ゆえに、健康上の理由からも、八重歯は矯正治療を行った方が良いのです。
八重歯の矯正治療(ささき矯正歯科)

八重歯の矯正治療は、あくまでも「歯を正しい位置まで動かして」治す治療ですが、もうひとつ、八重歯を抜いてブリッジにしたり、歯並びの悪い部分を全て削ってセラミック等を装着したりして、歯並びを治す方法(審美歯科)があります。矯正治療に時間をかけられなかったりする、芸能人がよく行う方法です。
しかし、「健康」という観点からは、いかがでしょうか?

もちろん矯正治療を行う場合でも、1本しかない犬歯のかわりに小臼歯を抜歯する事はよくありますが、数多くの歯を動かすことによって正しい咬み合わせを作ることができますし、健全な歯を削ることはありません。
反して、審美歯科では、八重歯部分に限局した治療のため、お口の中全体の咬み合わせは改善できませんし、健全な歯を削るというリスクや、ブリッジの場合は人工歯が入ります。

「健康と歯の長寿」を考えれば、矯正治療の方が秀でていることは明らかです。

矯正治療でネックとなるのは、やはり装置の見た目と治療期間でしょうか。
装置の見た目は、今はかなり改善されて目立たなくなってきています。が、骨の中で歯根を動かしてゆく治療ですから、骨や歯根に負担がかかることを避けるために、わずかずつ時間をかけて動かさざるを得ないのです。でも、長い一生に鑑みれば、ほんの数年のことでしょう。
目立たないセラミックブラケット(ささき矯正歯科)舌側矯正リンガルブラケット(ささき矯正歯科)

しかし、もし、あなたに八重歯があっても、そのことで卑屈になったり、コンプレックスを感じたりする必要はありません。八重歯であろうとなかろうと、あなたは十分チャーミングで、あなたの人生はキラキラ輝いているのですから。
もちろん、八重歯を含めて、悪い歯並びは、健康上の理由からも治した方が良いのですが、国民皆保険の恩恵から外れておりますので、難しいところです。

と、書き綴ってきたところで、あらためて。

なのに、なんで、付け八重歯?????
なんで、わざわざ不健康な状態に???
黒目を大きく見せるカラーコンタクトや、まつ毛のエクステ、ピアスみたいなイメージ???

と考えていたら、こんな記事を見つけました。
日本人が八重歯を好む理由
なるほど、美意識の文化論としては面白いかも。

私たちは医療を提供しています。もし八重歯にして欲しいという患者様が来院されたら、断固拒否します。それは医療ではありません。
私たちはあくまでも、健康美・機能美を追求していきたいと考えています。
(文責:小川)

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