2013年10月7日〜9日、長野県松本市で開催された第72回日本矯正歯科学会大会に、ささき矯正歯科ドクター一同、参加してきました。

矯正歯科の学会の中では一番規模の大きな学会で、臨床のみならず基礎研究の講演や発表もあるため、研究室の先生、開業医の先生、技工士さんや歯科衛生士さん、大学院の学生達までもが、全国から大集合します。そのため、アクセスの便利な大都市で開催されることが多いのですが、久々に地方都市で開催されました。
昨年は症例発表を行ったのですが、今年は演題を出していないので、ちょっとした旅行気分で現地へ。

第72回日本矯正歯科学会大会に参加(院長とDr.杉野) 第72回日本矯正歯科学会大会に参加(Dr.荒木とDr.小川)

まず初日の生涯研修セミナーは、「発達障害と矯正歯科治療」というテーマで、自閉症、アスペルガー症候群等の広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)の方への接し方等について、学びました。普段接する機会がそう多くはありませんので、今後、このような症状を持つ方が来院された際には、十分な配慮を払おうと思います。

続くサテライトセミナーは、「歯根吸収」「機能的矯正装置」についてでした。
歯根吸収は、生化学的な基礎研究のお話が中心でしたが、矯正治療のリスクを少しでも減らすために、発症機序、サイトカインや抗体等の関連因子についてのさらなる研究が、待ち望まれます。
また、第1期治療に用いる機能的矯正装置は、当院でもよく使用しておりますが、EBMのみならず、NBMを中心としたお話が聞け、参考になりました。やっぱり、症例の選択が大切ですね。

※補足説明:
EBM:Evidence-based Medicine エビデンス・ベイスト・メディスン、根拠に基づいた医療。
NBM:Narrative-based medicine、ナラティブ・ベイスト・メディスン、経験に基づく医療。

翌日からは、数多くの演題、シンポジウム、セミナーや講演の予定が目白押しで、語りきれないので、以下、何が興味深かったか、ドクターそれぞれに聞いてみましょう。

院長佐々木:
ランチョンセミナー、井上裕子先生の「子供達の健全な歯と顎の成長発育のために」。既に著書を読んでいたので、日常生活における歯科的指導の留意点など、理解が深まった。

杉野:
同じくランチョンセミナー、嶋 浩人先生の「描画ソフトウエアで矯正臨床をマネージしよう」。矯正臨床では、治療前後のレントゲン(セファロ)等の重ね合わせのような画像処理を行う機会が多いが、今回、イラストレーターというソフトで、書類から院内ポスターまで全部処理されていて、非常に参考になった。(ちなみに、杉野先生は、パワーポイントの名手? です(^^;)。)

荒木:
数年前に業者のブースのくじ引きで「iPad」を当てたので、今年も1等の「ルンバ」を狙っていたが、あっさり外れて残念賞のスポンジを頂いた。(と、さすが主婦、最初から掃除機を狙っていたとは!)  業者のブースでで試した、補助的清掃用具オーソピックオパールピック等が、ワイヤーが入っている方でも細かい所が磨きやすそうで、導入を検討したい。また、症例展示では、多くの先生方の治療症例が見られ、大変刺激を受けた。

小川:
シンポジウム「歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)の臨床における応用と注意」。矯正用インプラントは、この一般名称で昨年やっと薬事承認されたのだが、色々と確認できて良かった。

松本城
ホテルは松本駅近くを予約したのですが、荒木先生だけは、お子様を連れて温泉に泊まり、ちょっとした家族旅行を楽しまれたようです。日本矯正歯科学会大会は、託児所も用意されているので、お子様連れも可能なのですね。働く母親に優しい学会です (^^)。
長くなったので、旅行記はまた後日。